mima...忘れないで
君が夢の中で、僕に囁いたのは、悪いこと。
僕は君に会いたくて何度も夜を巡る。
歌子は言った。「君の悲しみ、私が引き受ける」
歌子は、17才、高校をやめて、飲食店でバイトをしている。
僕は22才、社会に絶望して、本ばかり読んでいる。
僕らが出会ったのは、インターネットだった。
歌子は、前向きで明るい印象を僕に与えたけど、僕にはそれが眩しくて、僕は僕の不甲斐なさに気づくこと、恐れていたんだと思う。
僕がもはや僕のことしか書けないのは、
君を見失ったからかもしれない。
時間は、歌子の悲しみと、僕の悲しみを織り交ぜた。
歌子について、僕は何も知らないから、僕はまだ、歌子に会えない。
僕は女だ。
歌子の性別は知らない。
歌子は自分をカコと呼ぶ。
僕は、自分を僕と呼ぶ。
カコの、配信が止まった。
カコの最後の配信は
mima...忘れないで。