mima...忘れないで
君が夢の中で、僕に囁いたのは、悪いこと。
僕は君に会いたくて何度も夜を巡る。
歌子は言った。「君の悲しみ、私が引き受ける」
歌子は、17才、高校をやめて、飲食店でバイトをしている。
僕は22才、社会に絶望して、本ばかり読んでいる。
僕らが出会ったのは、インターネットだった。
歌子は、前向きで明るい印象を僕に与えたけど、僕にはそれが眩しくて、僕は僕の不甲斐なさに気づくこと、恐れていたんだと思う。
僕がもはや僕のことしか書けないのは、
君を見失ったからかもしれない。
時間は、歌子の悲しみと、僕の悲しみを織り交ぜた。
歌子について、僕は何も知らないから、僕はまだ、歌子に会えない。
僕は女だ。
歌子の性別は知らない。
歌子は自分をカコと呼ぶ。
僕は、自分を僕と呼ぶ。
カコの、配信が止まった。
カコの最後の配信は
mima...忘れないで。
I met you in the past.
今さえあれば
うつむく過去も
想い馳せた未来さえ
いらなかった
時が止まれば
瞳の奥の
意味さえ知らないで
見つめられた
あなたは教えた
僕に大切な歌
メロディーが言葉を伝って
僕を泣かせた
止めどない想いが
時間に溢れたから
信じられた
You are lonely person
I met you in the past
真実にはね
届かないけれど
心が解ければ
伝えられたの
people go away
but I am here to stay
深い霧の中で想うよ
あなただけ見つけた
僕は進む
あなたに伝えた言葉が
宙を持って
いつしか蝶々の姿で
逢えたならば
離れ離れの未来さえ
今は欲しくて
泣きそうだ
あなたは教えた 僕に…
大切な人
いつまでもずっと
そばにいますように
あなたの手紙をそっと
終わりまで
待ってます